「うちのリーダーは優しいけど、あまり頼りにならない」
「厳しいけど、一緒にいると息が詰まる」
こんな声、聞いたことはありませんか?
リーダーの評価は、その人の人柄だけで決まるわけではありません。
優しさだけでも、厳しさだけでも、組織は育たないのです。
目次
優しいだけのリーダーに起こること
優しいリーダーは、部下の気持ちを尊重し、寄り添ってくれます。
でも、課題を先送りにしてしまったり、指摘が曖昧になったりすると、
チームの成長は止まってしまいます。
「あの人なら怒らないから…」
気づけば、甘えや妥協が広がってしまうことも。
厳しいだけのリーダーに起こること
厳しいリーダーは、目標達成やルール遵守を徹底させます。
結果は出やすい反面、メンバーは「怒られないために動く」ようになり、
自主性や創造性が失われます。
「言われたことしかやらない」
そんなチームでは、新しいアイデアは生まれません。
本当に必要なのは「優しさ × 厳しさ」
理想のリーダーは、この二つをバランスよく持っています。
- 優しさ=信頼を築く土台
- 厳しさ=成長を促す刺激
厳しさだけでは人は離れ、優しさだけでは人は伸びません。
信頼の上に、挑戦のハードルを置く――これが黄金バランスです。
具体的にどうすればいい?
- 事実で指摘し、感情で支える
事実だけを淡々と伝えると冷たく感じられ、感情だけをぶつけるとただの叱責になります。
**「事実」+「信頼のメッセージ」**をセットで伝えるのがポイントです。
例:
「昨日の会議資料、提出が予定より1日遅れてしまったけど、
忙しい中での作業、大変だったとね。
でも、〇〇さんのまとめ方はとても分かりやすくて
いつも「素晴らしい」って思っているんです。
次回は余裕をもって作ってもらえると嬉しいです。」
- ルールは守らせたい…だから、その理由を説明する
ルールを押し付けると反発が生まれますが、
理由を説明すると納得して動いてくれます。
例:
「この作業は必ず手順通りにやってね。
順番を変えると、最後に確認漏れが出て、
〇〇さんが危険なことになったり
お客様にご迷惑がかかる可能性もあるのです。」
「この順序は、〇〇さんの安全と
お客様の安全を守るための大事な仕組みなんです。」
- 成功も失敗も一緒に振り返る
成果を出したときは一緒に喜び、
失敗したときは改善策を一緒に考える。
これが信頼を育みます。
例:
「今回のキャンペーン、売上は予想を下回ったけど、
新規のお客様は増えたよね。
じゃあ次は、リピートにつながる方法を考えてみよう。」
「先月の接客アンケート、
評価が高かったのは笑顔と声かけだったね。
今月はさらに会話の質を高めてみよう。」
リーダーの役割は、「部下が自分の力で羽ばたけるようにすること」。
そのためには、やさしさで支え、厳しさで伸ばす。
この二つのバランスを、日々のやりとりの中で磨くことが、リーダー自身の成長にもつながります。